マンモグラフィ

3Dマンモグラフィ(トモシンセンス)

- 3D mammography -

3Dマンモグラフィ(トモシンセンス)

通常のX線検査では、立体のものが二次元的な影絵となって写されますので、重なり合ったものは見えにくくなります。厚みがある乳房の微細な乳がんを発見するために、一般的なマンモグラフィ検査では乳房を強く圧迫して薄くした状態で撮影しています。 3Dマンモグラフィは乳房を細かくスライスしたような画像の撮影が可能です。そのため、一般的なマンモグラフィでは他のものに隠されてしまったような微細ながんも、3Dマンモグラフィでは発見が可能になります。 当院に導入されている3Dマンモグラフィ(トモシンセシス)は、GEヘルスケア・ジャパン株式会社のSenographe PristinaTM(セノグラフ プリスティーナ)です。 3Dマンモグラフィを用いた検査に関しては「進行がんの発見率が41%増加した」「良性疾患を正確に診断する能力が40%向上した」などが海外でデータとして報告されています。

3Dマンモグラフィ(トモシンセンス)

従来のマンモグラフィとの比較

- Comparison with conventional mammography -

現在のマンモグラフィの通常撮影
(2D撮影)
新たなマンモグラフィ装置を用い
2D+3Dで撮影する場合
被ばく量 1.7mGy 被ばく量 2.6mGy
撮影時間 約3秒 撮影時間は 約10秒

※日本のガイドラインでは、1枚の被ばく量を 3mGy以下と定めています。

特徴

- feature -

新しい概念の撮影法

1回の撮影で得た画像情報を再構築して、1mm間隔のスライス画像として表示可能です。
従来のマンモグラフィ検査では不得意とされた、日本人に多い高密度乳腺のタイプにも有効です。

検査時の痛みを軽減

従来のマンモグラフィ検査では、乳房をできるだけ薄くして撮影する必要があったため、強く圧迫されて強い痛みを感じるケースがありました。当院で導入している3Dマンモグラフィの機器は、断層画像を得られるため少ない圧迫での撮影が可能になり、検査時の痛みが軽減されます。

距離分解能

(A)
X線管の移動角度の広さが、距離分離能(深さの分解能)の向上に直結しています。 距離分析能が低下した場合、上下方向に位置する2つの円が1つの楕円として表示されてしまいます。

(B)
距離分析能が高い場合には、2つの円をきちんと見分けて描出されます。

画像の取得と処理

X腺管は、-25°~+25°という50°の範囲を動きます。その動きの中で25回の低線量撮影を行います。これによって、25枚の画像rawdataが得られます。

*低線量PRIMEテクノロジーを採用しています。これはグリッド除去による撮影を行うことで線量を30%低減するもので、発生する散乱線はソフトウェアで除去できます。 撮影中のdetector位置はX腺管に相対して動くことはなく、常時0°の位置にあります。 当クリニックでは、この0°の位置で低線量2D撮影+トモシンセシスを行うようにしています。

*線量
トモシンセシスのみ 1.5mGy
2Dのみ 1.0mGy
トータル 2.5mGy

3Dマンモグラフィの注意事項

- Precautions for 3D mammography -

マンモグラフィは放射線を使った検査です。そのため、乳房内にシリコンやインプラントなどがあると画像に影響してしまいます。また、乳房を圧迫して検査しますので、シリコンバッグが破裂する可能性もあります。乳房にインプラントやシリコンバッグなどが入っている場合には、検査前に必ずお申し出ください。 また乳房が張っている時期の検査を受けると、痛みを強く感じやすい傾向があります。生理前の検査は避けるようにしてください。