葉状腫瘍
－ Intraductal palilloma －
上皮成分と間質成分がともに腫瘍性増殖を起こす混合腫瘍です。
線維腺腫と似ていますが、発症頻度はまれです。
良性と境界病変、悪性に分類され、混在することもあります。混在する場合には悪性度の高い部位の診断となります。 急速に巨大化したり、切除後の再発が多い傾向があります。良性の葉状腫瘍でも摘出後に局所再発することがあります。
マンモグラフィや超音波検査で類円形や分葉状腫瘤が描出されますが、急速に増大するものや腫瘤内部に葉状のスリット構造がある場合、葉状腫瘍の疑いが強くなります。
葉状腫瘍の主な症状
－ Medical condition －
- 腫瘤(しこり)を認める
- 腫瘤（しこり）が急速に増大する
線維腺腫と鑑別するための検査を行い、葉状腫瘍と診断されたら基本的に切除が必要です。鑑別のための生検では針生検(CNB)ではなく吸引式乳房組織生検(VAB)や摘出生検が推奨されます。葉状腫瘍は線維腺腫との鑑別が難しく、通常の針生検では線維腺腫と診断されてしまう可能性があるからです。
葉状腫瘍は切除後の局所再発率が20～30%と高く、再発を繰り返すと悪性化するリスクがあるため病変は完全切除が必要です。そのため、周辺の正常組織まで切除を行うか、あるいは乳房全摘出となります。発見された葉状腫瘍がとても小さい場合はごくまれに経過観察をすることもありますが、基本的には手術を検討します。